『レツサーパンダ』第33回フォトコンテスト入賞 撮影:臼井設備 臼井 勝義氏
名古屋の風景
御園通
吉田 信彦 氏 (水道組合)
御園通は中区栄一丁目、錦一丁目、丸の内一丁目を南北に走る通りで南側は名古屋高速2号東山線の白川ICの出入り口がある付近の交差点より、北は外堀通りにて愛知県図書館南側の御園橋を望む場所(信号のない交差点)に至るまで。
以降は「歴史の十字路まちしるべ」に記載されていた解説です。
上園町・下園町が属していた通りです。通り名の御園町は、清須で御簾野神明があった御簾野(みすの)町が移りその後、御園町と改められました。大正の初め、この地を訪れた日本画家の鏑木清方(かぶらききよたか)は朝夕、屋根神様を仰いで通る人の姿を見て、名古屋の町人の心がまえがゆかしかったと「続こしかたの記」に書いています。
会議コーナー
定 例 理 事 会
1.開催日時 10月2日(水)
午後3時
1.開催場所 水 道 会 館
1.理事定数 17名
1.出席理事 17名
お知らせコーナー
給水装置工事主任技術者試験準備講習会
開催日 9月9日(月)・11日(水)12日(木)
場 所 水道会館 3 階 講義室
今年で第23回目となる給水装置工事主任技術者試験を受験される方のために講習会を開催しました。
開催にあたり組合からの開講挨拶、上下水道局の職員さんに講師を務めていただき講義が行われ、3日目は模擬試験に受講生が取り組みました。
今回の講習会には組合に所属している従業員及び愛管連加入の組合員の従業員の皆さんが年々難しくなってきた試験の合格を目指し、長時間にわたり真剣に受講されました。試験は10月27日(日)に行われ、11月29日(金)に合格者が発表されます。
鼎談特集コーナー
鼎談 ― 「災害対応力と水道基盤の強化へ挑む」(その1)
令和元年9月6日に、日本水道新聞社が企画した宮村名古屋市上下水道局長、城名古屋上下水道総合サービス㈱代表取締役社長、穂刈名古屋市指定水道工事店協同組合理事長による鼎談が「災害対応力と水道基盤の強化へ挑む」をテーマに上下水道局長室で行われました。
同新聞社に了解を得て、9月26日発行の鼎談記事を組合だより11月号と12月号の2回に分けて掲載いたします。
南海トラフ巨大地震の発生が懸念される中、名古屋市上下水道局では、名古屋市指定水道工事店協同組合、名古屋上下水道総合サービス(NAWS)と連携した災害対応力強化に取り組む。3者の平時からの強固な関係構築は水道事業に求められる「基盤強化」への貢献も期待される。今後の災害対応力向上と事業基盤強化に対する展望を3者に伺った。 |
■三位一体で支える 名古屋市上下水道
―防災・減災に向けた取組みの紹介を。
宮村(名古屋市) 名古屋市では、南海トラフ巨大地震が30年以内に70~80%の確率で発生すると予測される中、ハード、ソフトの両面から地震対策を推進してきました。
現在は中期経営計画「みずプラン32」に基づき、水道の基幹施設および配水管の更新・耐震化、下水道の基幹施設および下水管の改築・耐震化の4大事業を推進しています。
地震対策に加え、これまでの過去の豪雨に対しては、緊急雨水整備事業などにより浸水対策に取り組んできました。また、昨今頻発する豪雨に対しては、昭和54年度に策定した「名古屋市総合排水計画」を今年度全面改定し、河川事業と連携しつつ施設整備を行っています。
ソフト面でも、非常時に当局単独での対応は困難との想定のもと、自助や共助、市民、事業者との協働を働きかけています。また、NAWSとは「水道施設等被災時における応急対策の協力に関する協定書」、名水協とも「災害時の応急復旧工事等の協力に関する協定書」「災害時における仮設給水栓の設置等に関する協定書」を締結し、さらには民間企業や他の事業体とも独自に協定を結んでいます。これらの機関との合同訓練や情報共有などを通じて災害対応力の強化に努めています。
城(NAWS) 弊社は前身の財団法人水道サービスから業務を引き継ぎ、局と名水協の出資で株式会社に移行し、平成23年度から事業を開始しました。外郭団体として局の補完・代行業務を担いつつ、株式会社化以降は近隣市町への業務支援、研修・講習会の開催などの自主事業にも力を入れています。
防災・減災の関係では、昭和38年の前身組織の設立趣意書の中でも、当時の主力事業であった道路取付管工事の技術力を生かして「非常災害時には、上下水道の応急工事を行い、もって市民サービスの向上に資せんとする」と謳われているなど、弊社は誕生時から局への災害対応協力を使命の一つとしてきました。実際に阪神・淡路大震災でも局の要請を受けて神戸市の応急復旧に従事しています。
株式会社化に伴い、改めて局とは先ほど局長さんが話された災害時の協力協定を締結しました。幸いこれまで実績はありませんが、地震等の災害時には要請に応じて応急給水、応急復旧その他の応急措置に他の業務に優先して協力することとなっています。また、名水協とも相互協力に関する協定を結び、防災訓練などで協力しています。
一方、局の所管する市内52カ所の雨水ポンプ所の半数を超える30カ所の運転管理を受託する立場として、豪雨災害への備えも重要な任務です。下水道施設の運転管理業務においては、局の非常配備態勢の中に弊社が組み込まれていることから、協力という立場ではなく本来業務として責任を負っており、日常的な点検整備にも万全を期しているところです。
こうした災害対応を着実に遂行できるよう、地震と風水害を対象として主に非常配備や緊急連絡の体制を定めた「災害対策要綱」(28年2月)、大規模地震発生時の対応を定めた「事業継続計画(BCP)」(同年10月)、これらと局の非常配備体制に組み込まれる下水道施設管理部門との整合を図る「災害対策要綱実施要領(施設管理部編)」(30年5月)をそれぞれ策定し、毎年見直しを図るとともに、集中豪雨を想定した水防訓練や大規模地震を想定した防災訓練を局と日程、発災条件を合わせて実施しています。
この鼎談の数日前、局および弊社との間で技術協力等に関する三者間実施協定を締結している三重県桑名市や東員町が豪雨に見舞われた際にも、局と共に現地へ調整員を派遣しましたが、幸い上下水道施設に大きな被害はなく、支援の必要性は生じませんでした。
穂刈(名水協) 当組合は昭和25年の設立以来、来年で70周年を迎えます。歴代の諸先輩方、局やNAWSの皆さまのご支援の賜物です。
NAWSは古くは名水協特別事業部から分離独立した経緯もあり、局のパートナーとして強い関係があると思っております。そうした中で、名古屋市上下水道事業を三位一体で担っているものと自負しております。
城社長のお話のように、道路取付管工事はNAWSが担い、名水協は屋内工事を担っています。他都市の指定工事店とは異なり、屋内工事に特化した水道組合は全国的にも数が少なく、特異な存在なのかもしれません。また、官公需適格組合の資格も取得し、公共の仕事を積極的に受注するよう努力しています。
防災対応については、もともと上下水道局とは協定があり、阪神・淡路大震災にも出動した実績がありましたが、東日本大震災を受けて、改めて局と応急給水工事等協力の協定を結んだほか、NAWSとも相互協力に関する基本協定と、これに基づく防災訓練の協力を締結しています。
この経緯を踏まえ、平成25年5月に名水協主催、局・NAWS共催で第1回総合防災訓練を実施しました。ここで局からの強い期待を感じたことで組合員に意識改革が起こり、「防災」の二文字が体に染みついてきました。以降、定期的に訓練を開催しています。
平成26年には局から各支部へ2基ずつの仮設給水栓が寄託され、災害時の設置についての協定も締結しました。また、平成27年には局と連名で市内16区長に防災協力を申し入れ、学区の防災訓練に局営業所とともに積極参加しています。この訓練が名水協を知ってもらうアピールの場にもなっていると捉えています。
平成28年には、仮設給水栓の寄託数が市全体の応急給水施設の半数に及ぶ112基に増大しました。震度6弱以上の場合には局の要請を待たず設置し、二次元コードを使ってHPに開設情報を流すという大変重要な役目を請け負っています。
平成29年には、寄託数の増大を受け、仮設給水栓設置訓練に時間を割いた第2回防災訓練を実施しました。また、一方で共助を促進するための「地下式給水栓アドバイザー制度」の確立に協力させていただきました。こうした一連の取組みが評価され、名古屋市防災表彰を受賞しました。
今年度、3回目となる訓練を開催し、仮設給水栓の設置、給水タンク車運搬作業を確認しました。仮設給水栓寄託組合員が全員参加し、局若手職員にも参加いただき、総勢150人以上での訓練となりました。今後も訓練の開催・参加を通じて、地域に根差し一層信頼される組合となっていきたいと考えています。
このほか、南海トラフ地震に備えて、組合員や組合従業員家族の安否確認システムを3年前から導入し、発災時にも安全に動けるよう、情報の集約に努力しております。
―両団体は市にとって心強い組織ですね。
宮村 NAWSは当局の補完代行の役割を担っていただいており、ライフラインとしての公的役割が求められる業務を委託しています。市民の安全・安心に直結する雨水ポンプ場の運転管理や、公共用水域の環境に影響を及ぼす水処理センター、その水処理センターとネットワークでつながる汚泥処理場の運転管理など、いずれも重要施設です。当局の技術移転の推進とともに委託を拡大してきた経過があり、その点でも欠かすことのできないパートナーです。
通常業務に加え、災害時においても応急給水・応急復旧に最優先で協力いただくことになっているのも心強く感じています。いざというときにも対応できるよう、今後も関係を強化していければと思います。
名水協においては、お客さまに最も近い上下水道工事を確かな技術力と地域密着の姿勢で担っていただき、本市上下水道事業を支えていただいていることをありがたく思います。近年では満期メーターの取替工事も受託いただき、当局の業務効率化にもご協力をいただいています。こうした常日頃からの密接な関係を心強く思っています。
災害時においても協定に基づき、208カ所ある応急給水施設のうち半分以上の108カ所の開設、特に震度6弱以上の地震発生時には自主的に開設いただくことや、大規模災害時には応急復旧にも協力いただけることを心強く思っています。お話にあった訓練には当局も参加していますが、名水協の団結力と技術力、地域貢献への姿勢には頭が下がります。NAWSと同様、欠かすことのできない重要なパートナーです。
■災害対応への連携
―自然災害が頻発している中、災害対応力の強化に向けてどういった課題を抱えていますか。
宮村 盤石な災害対応を目指すためには、ヒト、モノ、カネといった経営資源の強化が重要になりますが、その全てに克服すべき課題があります。
本市も全国事業体と同様、高度経済成長期に整備した施設や管路の老朽化が進み、一斉に更新改築の時期を迎えます。改築更新に併せ耐震化を図ることで防災対策にもつながりますが、そのための財源をいかに確保するかが課題です。
本市においても令和5年度をピークに人口減少局面に入ることが推計されており、将来的には料金収益の減少が懸念されます。技能労務職員の採用をストップし、委託化を推進している中で、局が保有する技術・技能をいかに継承していくかも大きな問題です。
また、中核的事業体として、この地域の災害対応力の強化も含め、中小規模の近隣事業体の基盤強化を支援する必要もあると考えています。
―パートナーとしてどのような対応が可能でしょうか。
城 弊社では、名古屋市以外のお客さまも増えている中でも、大規模災害発生時には名古屋市上下水道局の要請に確実に応えられるよう努めています。BCPでは、社内の緊急対応業務や他市町を含む日常業務再開に最低限必要な人員を除く全人員を局の災害対応業務への派遣要員とすることとしています。その人員数の把握と見直しも毎年行っています。
さらに、これを実効性あるものとするよう、毎年局の防災訓練と同日、同じ発災条件で社内防災訓練を実施しています。頭数を揃えるだけでは意味がありませんので、局の戦力となれるよう、ご指導を仰ぎながら訓練を積み重ねることが重要と考えています。
今月4日にも南海トラフ巨大地震を想定した訓練を実施しましたが、特筆すべきは弊社のBCPと、局のBCPの連携を図った初の訓練ということでした。局BCPでは、発災後1週間は局の人員が不足することを想定し、時間経過に応じた活動実施体制に弊社の派遣要員も組み込まれています。今回の訓練によって弊社派遣要員が実際にどのような業務を行うのか、具体的なイメージを持つことができましたし、今後検討すべき課題も顕在化しました。
今後もBCPで想定することを実践できるよう訓練と検証を重ね、「大規模災害発生時には必ず局の災害対応の実働部隊として責任を果たす」という視点で業務対応力を見直してまいります。
また、局長さんから中小規模の近隣事業体の基盤強化の支援が必要とのお話がありましたが、弊社では現在近隣5市2町の上下水道事業体に対し、これまでの局補完代行で培った技術・ノウハウを生かして、計画策定支援から現場技術支援まで多様な支援業務を通じて基盤強化の一翼を担わせていただいています。
その一環でBCP策定支援の実績もありますが、やはり中小事業体では経験値の高い職員やノウハウが不足し、防災が大事とはわかっていても手が回らないという悩みをお持ちです。弊社では限られたリソースをいかに効果的、効率的に活用する計画にできるかを市町の職員の方と議論を重ね知恵を絞って提案していますが、そうした経験自体も、万が一名古屋が被災し、局職員と応急対策をとるときにも、お役に立てる糧になるのではないかと考えています。
穂刈 局とは定期的に意見交換を行っており、日ごろ仕事をする上での疑問点や、改善してほしいことをお伝えするとともに、局から名水協への要望も広く伺っているところです。さらに名水協の支部長は局のブロック所長会にも出席させていただき、意見交換や情報共有を行うことができ、ありがたく思っています。今後もこうした場を通じて共通の問題意識をもって対応が進められればと思います。
また、青年部が主催するスポーツ交流会には、局に加えNAWSからも参加いただいています。こうした行事を通じてお互い顔の見える関係をつくることが、いざというときにも役立つのではないでしょうか。
ただ、発災後3日間を想定した応急給水訓練は習熟してきましたが、その後に想定される応急復旧については、今後訓練が求められます。屋内工事を担う名水協単独で動くことは困難ですから、局との連絡調整を前提に、道路取付管工事を担うNAWSとの連携が重要だと考えています。
このほか、区・学区での防災訓練に継続的に参加することが、地域住民への名水協のアピール、ひいては住民にとっての安心感の増大につながればうれしく思います。
(次号につづく)
(左)穂刈理事長(中)宮村局長(右)城社長
青年部会コーナー
第163弾定期夜間勉強会
開催日 令和元年9月18日
参加人数 9名
技能開発部会・青年部会共催
9月18日、株式会社アセットジャパンの方をお招きして、「助成金を活用して人材確保・定着を」というテーマで講演していただきました。
まず「助成金と補助金の違い」という点を丁寧に教えていただきました。
助成金の場合、受けるための資格要件を満たせば、ほぼ受けることができますが、一方、補助金の場合、申し込んだ会社の全部が受けられるとは限りません。
今回の講演は、あくまで助成金に絞っているので要件さえ整えて書類を提出すれば、ほぼ間違いなく受給できるというものでした。
水道業界に限らず、人材の確保は簡単ではありませんし、ましてや継続して勤務してもらうことも大変なことです。そのなかで、雇用に関してお金が給付されることを知って、それをきっかけに会社で新規に採用を考えたり、社員の雇用形態を考え直すことになれば、とても大切なことだと感じました。
今回の定期夜間勉強会では、参加者すべての方が真剣になって説明を聞き、すぐに会社に役立つ講座であったと感じています。
これからも様々なテーマや切り口で、勉強会を開催していきたいと思いますので、奮ってご参加のほど何とぞよろしくお願いします。
青年部会 緑支部 太田佳典
特別寄稿コーナー
苦い経験を踏まえて
名古屋市上下水道局 守山営業所
所長 原口 慎也
名古屋市指定水道工事店協同組合の皆さまには、日ごろから上下水道事業にご協力をいただき、誠にありがとうございます。また、守山支部におかれましては
9月29日(日)の「元気まつり守山」において水中ホールインワンゲームを運営していただき、営業所ブースは大いに盛り上がりました。ありがとうございました。
私は、区役所、交通局地下鉄勤務を経て6年ぶりに上下水道局に戻ってまいりました。久しぶりは理由になりませんが、年度当初に苦い経験をしましたので組合の皆さまと胸襟を開いた間柄を築くためにも、ある事案を紹介させていただきたいと存じます。
令和元年5月のことですが、土木事務所を通じて次のような話がありました。
「8月4日(日)に地元の厄年行事でお神輿が練り歩くが、例年ルートの橋に手洗い・飲用の水を用意している。昨年までは付近の会社が好意で水を使用させてくれていたが、会社が廃業したため使用できなくなった。その橋は応急給水施設のある公園の近くにあることから、上下水道局で何とか協力していただけないか。」
一般論でいえはお祭りへの協力ですので、応急給水施設を使用する理由にはなりません。しかしながら、地元行事への協力を無下に断るのも問題になりますので、営業所としてもすぐに返答せず、応急給水施設を管理する本庁防災部署に確認したところ、防災訓練の一環として設置訓練を行うということであれば使用してよいとの返事をいただきました。
ここで営業所限りにすればよかったのですが、防災名目を付けたことから守山支部に協力をお願いしました。その際、開催日時の連絡をしたものの、協力内容が仮設給水栓を設置するまでなのか、お祭りが終わるまでなのかといった詳細を詰めていなかったことから、「お祭りに指定工事店を使うのか」という話で各方面に伝わってしまい、正直、営業所の意図するところから離れて説明に窮することになりました。
最終的には話を引き取っていただき、今回については仮設給水栓の設置にご協力いただくことになりました。暑い中ご対応いただき、この場をお借りして感謝申し上げます。なお、この事案は営業部内の会議でも取り上げられ、今後、防災以外の行事への対応は給排水設備課に相談してから判断することになりました。今回のお祭りは来年度以降も続きますので、同じことを起こさないように自戒し、確実に引き継いでいく所存です。
反省すべき点として、私の前職では「確認電話」という言葉がよく使われておりました。電話は伝えたい側が一方的になりがちなので、受け取り側の復唱を確認してはじめて成立するというものです。例えば地下鉄では車いすのお客さまの乗車・降車に当たり駅員同士が連絡を取り合いますが、上り・下りを間違えて反対のホームで待っていたということが起こります。それを防ぐためにも、受け取り側が「何時何分、上りホームで了解しました。」と復唱するのを確認するというものです。
今回の事案では営業所は伝える側でしたが、ルーティンに甘えての電話連絡では正確に意図が伝わらないということを肝に銘じて業務に取り組んでいきたいと思います。反省しきりの寄稿になりましたが、今後ともよろしくお願いします。
筆の泉コーナー
お気楽、家庭菜園のすすめ
名古屋市上下水道局 計画部技術開発室
主査 玉置 譲
家庭菜園を始めたのは、自宅を作った8年前です。門扉や駐車場などの大まかな外構工事はやってもらったのですが、畑、樹木等の植栽工事は、コスト縮減と興味があったため、DIY(Do It Yourself)で行いました。
始めに家の配置図を描き、どの樹木を植えるか、樹木や畑をどこに配置するかを検討しました。樹木は、色々と調べて成長後のサイズ、成長の良さ、コスト、世話のし易さ等を考え選びました。その後、フリーのCADで平面図と立面図を作成し、そこに樹木、畑や花壇等を配置し、実際に配置可能か、使いやすい動線は確保可能か、見た目はどうか等を検討しました。そして樹木をホームセンターで購入し植えました。今では樹木も立派に成長をしましたが、少しイメージとは違うような気がしており、素人が行う難しさを感じています。
樹木の後に畑を作ったのですが、土づくりが大変でした。表層土が、硬い粘性土だったため、そのままでは畑に向きませんでした。今から思うと、外構工事の際に、畑土を購入し、庭に積んでおいてもらえば良かったと思います。仕方がないので、つるはしやスコップで、土を掘り起こし、篩にかけたり、パーライト、牛ふん等を混ぜたりして、畑に向く土に改良していきました。現在では、毎年改良したおかげで、畑に向いた土になっており、概ね毎年、夏野菜や秋冬野菜を収穫しています。今年の夏にはトマト、キュウリ、ゴーヤ、茄子、ピーマンなどの定番の夏野菜を植えました。台風の影響で支柱が倒れかかったりした事もあったのですが、比較的よく収穫できました。8月後半に夏野菜は片づけ、現在はレタス、カブ等の秋冬野菜を植えています。
実は、昨年の家庭菜園の夏野菜は、うまく行きませんでした。その原因は、昨年も暑い日が多かったのに、水やりを余りしていなかった事でした。そのため、今年は自動潅水装置を設置し、水やりを行いました。その結果、仕事に行っていても、きちんと水やりは行うことができ、その結果、収穫量も増えると共に、夏の暑く、やぶ蚊も多いときにも水やりに外で出る必要も無くなり快適に家庭菜園ができました。
家庭菜園の良いところは、色々とあると思いますが、子供の教育に良い事、取れたての新鮮な野菜を食べられる事や、収穫できる分、家計の足しとなり家族に喜ばれるといった事等があると思います。また私の場合、普段と違う事をするのでストレスの解消になっているのでは?と思います。しかし、このような良い事がある一方で、土づくり、水やり、雑草処理等の大変な事もあります。そのような大変な事に対しては、対策や工夫をしたりすると楽ができると思います。今年の夏は、私も自動潅水装置等の対策を行う事で気楽に家庭菜園を楽しめたと思います。そういった事もありますので現在家庭菜園をやっていない人も、試しにやってみると意外な発見や楽しさが見つかるのでは?と思います。
談話室コーナー
近場の絶景めぐり
守山支部・株式会社 若松設備
大野 由紀子
最近、TVや雑誌で名古屋から比較的近い観光地に眺めのよい絶景スポットが紹介されているのを目にして、私はこの夏、行ってみたいと思い、出掛けてきました。とても素敵なところばかりだったので、みなさんにご紹介します。・ミラドール志摩/横山展望台、横山天空カフェテラス・・・三重県
展望台の広いウッドデッキテラスから英虞湾の大小60ものもこもこした島々と海の絶景が見られます。展望台へは、駐車場から徒歩5分程で到着します。ウッドデッキテラスは、広々として解放感にあふれています。
2018年8月にオープンしたカフェが併設されていて、飲食しながら、絶景が楽しめます。ソフトクリームが美味しかったです。
・サンメドウズ清里/清里テラス・・・山梨県
ふもとからリフトにの乗って、標高1,900mの山頂から清里高原を目の前に富士山や南アルプスの絶景が広がります。(4月末~11月中旬の期間限定でオープンしています)リフトを降りるとソファが並んでいて、くつろぎながら絶景を見ることができます。予約専用のプレミアムシートもあります(有料)。澄み渡る晴天の清里を寝転んで眺めるのは、本当に気持ちよかったです。但し、太陽をさえぎるものがなく、日焼けに注意です(笑)レストランで食べたピザが美味しかったです。
日々の忙しい生活から少し離れ、きれいな景色を見たり、ご当地のおいしいものを頂いて、心身共にリフレッシュして、また仕事を頑張ろうと思えた夏休みでした。
滋賀県のびわ瑚バレイにあるびわ瑚テラスも絶景が見られるようです。時間をみつけて、ぜひ訪れてみたいと思っています。最後までお読み頂きありがとうございました。
消防コーナー
地震に備える42
名古屋市消防局OB 近藤 博
昭和19年(1944年)東南海地震(14)
引き続き、「中央防災会議「災害教訓の継承に関する専門調査会」報告書1944
東南海地震・1945三河地震 平成19年3月」の報告書に登載されている、地震体験手記を紹介し、被害の実態をみていきたいと思います。
○ 愛知県の被害(その6)
地震は、午後1時36分頃に発生しています。人々は日中のことでもあり活
動中でしたが、すぐに地震だと気付いた人もいれば、はじめは何が起ったの
かわからなかった人もいました。必ずしも迅速に脱出できたわけではなく、
揺れが激しく、立っていることが困難なほどの揺れだったことが記されてい
ます。
8 三河地方の地震体験手記
報告書は、現安城市小川町で被災した神谷保一氏の手記を紹介しています
が、それによれば、はじめは「あまり大きくもない」と感じていたが、「其
のうちに激動となり、大激震となって来た」状況と、周囲の人々の狼狽振り
が記されています。
その内容は、以下のようなものです。
「隣家の常一君の表でお竹さんと話をしていたら、地震がきた。あまり大
きくもない。ぐらぐらと揺れる。五秒、十秒、なかなか止みそうにない。其
のうちに激動となり、大激動となって来た。お竹さんの前の人参畠へ腰を落
として、あれよあれよと悲鳴をあげて居られる。
大地震の体験のない私は(濃尾地震には僅か五・六歳で)、その恐ろしさ、
その被害等については、事実の体得がないから、間もなく止むと思っていた
が、とうとう直立してはいられない揺れ方に、初めて地震の恐ろしさ強さと
いうものに出逢った。人参畠へ知らずに入ってしまった。
常一君の母親が大動揺している。棟が大蛇ののた打ち廻るが如くである。
高く低くうねりを為している。波状をなしている。上下にもゆれる様な気が
する。
自宅はと見るとさらに甚だしい。まるで浮動している。荒海の船の如く揺
れている。瓦があちこちに落ちる。
西風が強いので、あたりの騒音が耳に来ないが、あちらでも、此方でも、
すさまじい響きがする。子供が悲鳴をあげている。二・三分で止んだ。ほっと
して皆々唖然としている。(以下略)」(旧字は適宜新字に直してあります)
(出典:神谷保一『三河地方の大震災』(個人蔵))
報告書は、上記以外にも次のような手記も紹介しています。
「オデイ(屋内で家事や作業をする部屋のことだと思われますー筆者)で
昼寝をしていた。揺れで驚いて家の前の畑に出た。家が右に左にと揺れて『転
んでしまう』と思ったが、持ちこたえた」(男性・1919(大正8)年生まれ・
現安城市和泉町で被災)。
「田でイネコキ(脱穀作業)をしていた。立つことさえ困難で、近くの家
が倒れるのを、ただながめていた」(男性・1926(大正15)年生まれ・現西
尾市上町で被災)。
「学校で昼休み中だった。大きく揺れ出し、逃げようと思ったが、腰が抜
けたようになって立ち上がれず、はって広い方へ移動した」(男性・1930(昭
和5)年生まれ・現西尾市亀沢町で被災)。
「家にいて、友人と2人で妹(1歳)の子守りをしていた。東西に揺れた
ので、あわてて家の前の畑に飛び出した。妹を家の中に忘れてきた(昼寝中)
のが心配でたまらなかったが、すぐにはもどれなかった」(女性・1929(昭
和4)年生まれ・現安城市東町で被災)。
いずれも、起っていられないほどの激しい揺れを感じたことが分ります。かなり激烈な振動に見舞われたものと思われます。
法律コーナー
自殺したわが子の個人情報開示請求
弁護士 松 永 辰 男
XはBとの間でAと次女をもうけたが、平成28年に,Aと次女の親権者をBと定めて調停離婚しました。その後AはBに監護養育されてきましたが、16歳になったとき自宅で自殺してしまいました。Aは生前児童相談所の支援を受けてきたものであり、父親であるXとしては,Aがどのような事情や経緯で自殺に至ったかを知りたく、山口県知事に対し児童相談所のAに関する個人情報の開示を求めました。これに対し山口県知事は、定めている条例には開示請求権の対象を「自己の個人情報」と定めており、あくまでもAの個人情報はA自身の情報であり、父親の情報ではないこと、その情報には、児童相談所における職員が直接聴取した情報のほか、関係機関又は関係者等から聴取した本件児童に関する情報、及び実施機関が本件児童に対する援助業務に必要な情報として関係機関又は関係者等から得た文書等を含めた個人情報であって、相続財産等の情報とは認められないこと、本件情報は、本件児童の生前の人格の発露としての発言等を含み、児童相談所において本件児童の福祉の観点から作成されるものとして、全体として本件児童の個人情報に該当するところ、これが本件児童の死亡によって遺族自身の個人情報に変換されるものではない旨争いました。これに対し裁判所は、「しかしながら、当該死者と特に密接な関係を有する遺族等については、社会通念上、当該死者に関する個人情報が、同時に遺族等「生存する個人」自身の個人情報に当たる場合がありうるから、そのような情報については、「当該生存する個人」に関する個人情報として、本件条例による保護の対象とするものと解するのが相当である。」とし、「そして、死者が未成年者である場合には、相続人たる地位を有する父及び母は、当該未成年者の権利義務を包括的に承継する者として、特に密接な関係を有し、当該未成年者にかかる情報が、社会通念上、相続人たる地位を有する父または母自身の個人情報と同視し得る余地があると考えられるから、」父親もAの個人情報の開示を求める適格者であると認定しました。そして、「死亡した未成年者にかかる個人情報については、その相続人たる地位を有する父又は母自身の個人情報と同視し得る余地があると考えられるところ、本件情報は、家庭及び地域における児童養育を支援するための行政機関である児童相談所が、その業務のために作成した児童記録一式であるから、その性質上、この生前、その養育を直接的又は間接的に担ってきた子の相続人たる地位を有する父又は母の個人情報と基本的に同視し得るものと解するのが相当である。」と認定しました(山口地裁平成30年10月17日判決・判例時報2415号13頁)。
木祖村コーナー
木祖村 おススメ紅葉スポット
編集後記
編集後記
令和元年度下半期のスタートとなる10月1日に消費税率が10%に引き上げられました。今回の改定では、食品等への軽減税率の導入やキャッシュレス決裁によるポイント還元制度の導入などにより、過去の改定時と比べ増税前の駆け込み需要が少なかったようです。それでも直前には、軽減税率の対象とならないアルコール類や日用雑貨などを買い込む様子が報道されていました。中でも白物家電と呼ばれる冷蔵庫、洗濯機、エアコンの9月の売り上げは、前年比20%増だったそうです。我が家でも、ちょうど冷蔵庫が買替え時期を迎えていたことから、増税前の9月中旬に電気店に出向きました。店内では既に完売している製品も多く、店員さんからは1日ごとに完売品が増えていくと言われたため、その場で冷蔵庫の購入を決めてしまいました。また、今なら洗濯機を合わせて購入すればさらにお値打ちにすると言われ、予定になかった洗濯機まで購入してしまいました。まさに増税前の駆け込み需要の罠にまんまと嵌ってしまった次第ですが、買替えにより電気代が1/3程度になると聞いたので、次回の電気使用量を楽しみに待ちたいと思っています。
また、改正水道法も10月1日に施行されました。いよいよ指定給水装置工事事業者の更新制度が導入されます。名古屋市では、指定排水設備工事店の更新も併せて行うことになります。指定を受けた時期により更新時期が異なりますが、名水協の組合員さんのうち約8割の方が初年度の更新となります。更新対象の組合員さんへは、組合を通して順次通知させていただきます。通知到着後、更新に必要な書類を整えて組合事務局へ提出していただければ、上下水道局への申請などの手続きについては組合事務局で行います。初めてのこととなりますので、ご質問があれば組合事務局へお問い合わせください。できる限りお手伝いさせていただきます。
今回の更新は、引き続き指定工事店として活動するために必要な手続となりますので期限内での提出をよろしくお願いいたします。
(T.T)