『ひなたで昼寝のアシカ』第34回フォトコンテスト入賞撮影:名古屋市上下水道局 畠山 真理 氏

『ひなたで昼寝のアシカ』第34回フォトコンテスト入賞撮影:名古屋市上下水道局 畠山 真理 氏

ご挨拶

名古屋市上下水道局 局長 飯田 貢

 本年4月に財政局長から上下水道局長に就任いたしました。

 名古屋市指定水道工事店協同組合並びに組合員の皆さまにおかれましては、日頃より本市上下水道事業に格別のご支援・ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 本市の上下水道はこれまで100年以上にわたりライフラインとして、市民生活や社会活動を支えてまいりました。先人達が長い年月をかけて築いてきた市民の大切な財産である上下水道を任され、その責任の重さをひしひしと感じているところでございます。就任早々に新型コロナウイルス感染症への対応で愛知県に緊急事態宣言が発せられ、非常に厳しい船出となりましたが、この苦難の時期を乗り切り、上下水道事業をさらに発展させるため、情熱を持って事業運営に取り組んでまいります。

 本市の上下水道事業を取り巻く環境は、地震や豪雨などの大規模な自然災害が国内で頻発しているほか、リニア中央新幹線の開業を控えるなど、急速に変化しています。こうした状況に迅速・的確に対応するため、計画期間を令和2年度までとしていた「みずプラン32」の終了を待たず、新たな経営計画として「名古屋市上下水道経営プラン2028」を本年3月に公表いたしました。

 この計画では、安心・安全で安定した上下水道サービスを提供し続けることを基本方針の1つとして掲げています。持続可能で強靭な上下水道施設を構築するため、老朽化した施設の計画的な改築・更新など、災害による被害を最小限にとどめるための施設整備を着実に進めていかなければなりません。さらに本市にも甚大な被害をもたらすことが想定される南海トラフ巨大地震等の大規模災害においては、施設の耐震化だけでなく応急給水や応急復旧といった災害への対応力の強化が重要であり、ハード対策とソフト対策を両輪として充実させる必要があります。

 貴組合とは発災時に協力して応急活動を行うための協定を結んでおり、有事の際における緊急止水や応急復旧工事のほか、発災時には仮設給水栓を組合員の皆さまに設置していただくことになっております。また、本市や地域の皆さまが実施する防災訓練に積極的にご参加いただき、連携強化に努めていただいているだけでなく、貴組合主催の防災訓練も実施されるなど積極的に防災活動にも取り組まれており、大変心強く思っております。

 円滑な事業運営には貴組合との連携を一層強めていくことが欠かせません。組合員の皆さまにおかれましては、今後とも上下水道事業へのご支援・ご協力をいただきますようお願い申し上げます。

ご挨拶

名古屋市上下水道局 次長 磯村 仁

 本年4月より2年振りに上下水道局に配属され、次長に就任いたしました。名古屋市指定水道工事店協同組合の皆さまには、貴組合設立以来、長きに渡り、本市上下水道事業に対し多大なるご貢献をいただいておりますことに改めて深く感謝申し上げます。

近年、節水機器の普及や地下水を利用した専用水道施設の増加などの要因により、本市上下水道事業の収益は減少傾向が続いているなか、人口減少社会の到来などの社会情勢の変化により、経営環境はより一層厳しいものになっていくことが想定されます。昨年度、策定いたしました名古屋市上下水道経営プラン2028におきましては、「健全な経営を未来につなぎます」を基本方針の一つとして定め、業務執行体制の見直しに取り組んでいくこととしており、効率的で持続可能な事業運営に努めてまいる所存です。

こうした大きな変革期を迎えるなか、検定満期メータの取替など、着実に実施していかなければならない上下水道事業の根幹をなす業務について、貴組合の皆さまのご協力をいただきながら実施しており、皆さまが長きにわたって培われてきた技術力とネットワークが、事業実施には必要不可欠であると考えております。

本市上下水道事業は、市民生活を支えるライフラインとして、100年を超えて歩んでまいりました。これからも、新たな時代の課題に取り組み続け、本市の上下水道事業をともに支えるパートナーとして、貴組合の皆さまには、末長くご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

ご挨拶

名古屋市上下水道局 営業部長 権田 喜則

 本年4月に上下水道局営業部長に就任いたしました。貴組合並びに組合員の皆さまにおかれましては、日頃より上下水道事業に多大なご支援・ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 貴組合におかれましては、給排水設備に関する工事や維持管理のほか、検定満期メータの取替など、日頃から営業部の業務を力強く支えていただいております。また、近年では、防災面での協力体制も以前に増して強固なものとなっており、昨年度には、貴組合主催の防災訓練には、組合員の皆さまとともに本市の職員も参加させていただくなど、より実践的な訓練を通じて、いざという時の対応を互いに確認しております。

 現在、営業部では、営業所体制の再編に取り組んでおり、大きな転換期を迎えております。営業所の業務は、地域に出向くサービスを強化し、防災等における地域との関わりを一層強めてまいりたいと考えております。地域に根差した組合員の皆さまとの連携がこれまで以上に重要になりますので、今後とも本市事業へのご支援を賜りますようお願い申し上げます。

名古屋の風景

雲龍山寶藏院

吉田 信彦 氏 (水道組合)
吉田 信彦 氏 (水道組合)

 今は伏屋という地名ですが元は「布施屋」といい、布施の気持ちで宿を提供する村でたくさんの旅人がここを往来。旅の安全祈願所として「布施屋地蔵宝蔵院」の名は広く知られていきました。本尊は行基が彫ったとされる地蔵菩薩。また、県内で3体のみ確認されている木喰が作った先手観音菩薩も大切に安置されています。享和元年(1801)に作られた貴重な1体を有する寺院としても有名です。

 

所在地  名古屋市中川区伏屋2ー707

アクセス 近鉄名古屋線「伏屋駅」より東へ徒歩2分 駐車場 5台

会議コーナー

臨 時 ・ 定 例 理 事 会

臨時理事会風景
臨時理事会風景

定例理事会風景
定例理事会風景

1.開  催  日  時

  臨時理事会   

   4月20日(月)午後3時

  定例理事会     

   5月  7日(木)午後3時

 

1.開催場所  水 道 会 館

 

1.理事定数  17名

 

1.出席理事  16名(臨時理事会)

 

1.出席理事  17名(定例理事会)

詳細

お知らせコーナー

第35回フォトコンテスト

 内  容  組合だよりの表紙を飾るにふさわしい写真をお待ちいたしております。

 

               今年のテーマは季節がわかる近所(会社・自宅)の神社・仏閣』

 

  作  品  カラー(横撮り)

 

 応募方法  右上の【詳細】の応募用紙を印刷して必要事項を記入の上、

        写真を添えて提出して下さい。(郵送可)

        メールでも応募を受け付けさせていただきます。

        ※応募用紙を保存して必要事項を入力し写真を添付して、

         件名に【フォトコンテスト】と記入して送信して下さい。

       メールアドレス:[email protected]

 

 賞  金  最優秀  3万円 1作 優秀 1万円 1作

       委員長賞 1万円 1作 入賞 5千円 9作

      

 締  切  令和3年1月8日(金)到着分まで

 

 発  表  組合だより令和3年4月号

特別寄稿コーナー

不条理の世の理

名古屋市上下水道局 千種営業所

所長 原口 慎也

 

 名古屋市指定水道工事店協同組合の皆さまには、日ごろから上下水道事業にご協力をいただき、誠にありがとうございます。私は令和元年度から守山営業所長としてお世話になっておりましたところ、令和2年度からは千種営業所長としてお世話になることになりました。その結果、新任かつ営業部の建制順ということで2019年11月号への寄稿から半年あまりでの再登場となり、至極恐縮しております。

 この半年と言いますか、2020年に入ってからは新型コロナウイルスの猛威により世相が激変してしまいました。国による7都府県に対する緊急事態宣言に始まり、愛知県独自の発令、そして全国に発令といった局面に至り、営業所においてもマスクの全員着用、職場の消毒の段階から寄稿時点では窓口のビニール仕切り、執務場所の分散といった対応に至っております。工事店のみなさまも、ご対応に苦慮されているかと存じます。

所属を預かる身としては職員が罹患しないこと、クラスターを発生させないことを意識しておりますが、どんなに対策を講じても買い物、公共交通機関の利用など不特定多数の方との接触が避けられない中、職員、市民さらにもっと広くは全世界の人々が不安を抱えながらの生活を強いられているのは不条理としか言いようがありません。

この不条理について思うところがありますので、今回ノーベル文学賞作家アルベール・カミュ著「ペスト」という小説を紹介したいと思います。第二次世界大戦直後の作品ながら、今改めて世界的ベストセラーになっているのも頷ける内容になっております。

 時は20世紀初頭、場所はアルジェリアの一都市において、一匹のネズミの死体から始まります。人々はネズミを媒介とするペストの流行を薄々感じながらも、それを指摘して杞憂だったときの責任から逃れるため判断が遅れ蔓延してしまう中、都市が封鎖されてしまいます。小説では封鎖が解かれるまでの出来事、人々の葛藤が綴られています。

主人公の話を省いて一部列挙しますと「もはやこれまでと観念していた悪党が、蔓延を機に堂々と…」、「罹患しても神の御心のまま治療しないと説教した神父が、原因不明の病に…」、「封鎖からの脱出を企てていたのを止めて身を粉にして奉仕していた記者が、封鎖解除後に…」といったありさまで、正に不条理のオンパレードです。

 また、蔓延する状況に諦めてしまう者、現実から目を反らしてオペラに興じる者といった描写もあり、自粛疲れで人出が増えたというニュースに接する昨今、いつの世も変わらないものです。私の読了後の感想は、どんなに不条理でもその中で人は生きていくしかないという当たり前のものですが、悲壮感を帯びたものではなく淡々と受け入れることで気持ち的には落ち着くところがありました。

 新型コロナウイルスに関してはネット・報道とも声高に糾弾する風潮、結果責任を問う風潮が見受けられます。罹患したくないのも、蔓延させたくないのもみな同じですので、不条理の中でも自分にやれることをやるという姿勢に徹することこそ理(ことわり)ではないかと思う次第です。

 拙稿を読んで興味を持たれた方は、ご一読されることをお薦めします。

 

筆の泉コーナー

いじるのって楽しい

名古屋市上下水道局 設計第二課

係長 阿相 光徳

 

 「やられたぁ」

 妻がハンバーグを買うために肉屋前の道路に駐車していたところ、若い男の子にクルマをぶつけられたとのライン。

丁度、古くなってきていたので、別のクルマを探すことに。

候補に上がったのは平成22年式の黒いエブリィバン(商用車)。

マニュアルミッションのターボ付き。走行距離11万キロ。年式・距離相応の劣化は否めないが、まだまだ頑張れそうな感じ。特筆すべきは車中泊用のマットが付属していること。

 車検2年と諸費用込みで40万円ならお買い得と判断し、いざ購入。問題は、嫁がマニュアル免許に対応していないことであったが、①自分が運転を教えること ②免許取得まで自分のクルマを使えばいい と何とか説得。

受け取りの際に、「バッテリーが弱いので、気を付けて下さい」とあり、エンストしないよう細心の注意を払ったが、その緊張感はすぐに薄れていった。

「これ、メチャメチャ運転しやすいわぁ」妻も車内の広さに満足したようで、前のクルマの修理代や下取り費用を差し引くと、実質、20万円での購入は大正解。

翌日から妻への運転教習が始まったが、それは1日で終わった。妻はエンストを繰り返し、終いにはバッテリーがあがり、妻にクルマを押させてエンジンをかける始末。自分の教え方がマズかったのだろう。

結局、このクルマは自分が乗ることとなり、元々の自分のクルマは妻に取り上げられてしまったが、却って良かった。何だろう「いじり甲斐」があって楽しいのだ。手始めにバッテリーを交換し、その後、シートカバーを装着。妻が選んだ色はどう見てもねずみ色だったが、装着してみるとイイ感じ。ついでにハンドルカバーも装着。

続いて、ターボのブーストアップ。アップといってもブーストの制限を開放してあげるだけなのだが、商用車にあるまじき加速力が得られ、100点。

外装もピカピカにしてあげた。電動ポリッシャーというボディ磨き用の工具を購入し、コーティング剤も何種類も試して、まあまあイイ感じに。現在も試行錯誤中。オーディオも交換。中華製のアンドロイドナビを装着してみた。10.1インチの大画面で、色々なアプリを入れることが出来て非常に便利。意外と音質も良く、90点。上手くいかないのは車内騒音の解消。デッドニングといって、色んな箇所の鉄板にブチルゴムシートを貼ったが、天井以外の効果はイマイチ。誰か教えてください。

どうにも愛おしいこのクルマ、自分のトコに来て、喜んでいてくれると嬉しいのだけど。

談話室コーナー

脳の働きを味方に、無理なく生活改善

西支部・株式会社 中部 名古屋支店 

 山中 啓史        

 
 昨年受けた会社の健康診断で「メタボリック予備軍」との診断を受け、これを機にと、食事の量を減らそう、定期的な運動しようと決めたものの、ほとんど実行できず、今年も健康診断を受ける時期がやってきてしまいました。食生活の見直しと運動不足の解消が重要なことは、頭では理解していてもなかなか続かない、ほとんどが三日坊主におわってしまうことが多く、継続できないのは自分の意思が弱いからと決めつけていましたが、実は脳の働きにも理由があったようです。

 一般的にメタボリックシンドロームの診断基準としては、おへその高さの腹囲が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れるとメタボリックシンドロームと診断され、この状態が続くと動脈硬化が進行しやすく、心臓病や脳卒中を引き起こす危険性が高まります。

食べすぎな食生活を改善するには、味覚から変えてゆく必要があるようで、脳が「おいしい」と感じる味には、ダウナー系とアッパー系の2種類があり、昆布やかつお節、干しシイタケや野菜、魚介類や肉類などの素材や出汁の旨味が引き出された料理がダウナー系で、旨味を多く含む食べ物は「もっと食べたい」という脳の興奮を抑えて少量でも満足感が得られるので、自然と食べる量が抑えられて太りにくくなるようです。

一方、ハンバーガーやフライドポテトなどのファストフード、カップラーメンなどのインスタント食品は、いくら食べても「もっと食べたい」と脳の興奮が収まらない、旨味が乏しく舌にのせたときに一瞬で味がわかるような濃い味付けの料理がアッパー系で、さらには、アッパー系は油(油脂)、糖(糖質)、塩(塩分)という3要素から成り立っており、高カロリーなものがほとんどのため、食べすぎやカロリー過多につながりやすいようです。

日々の食事から徐々にアッパー系を減らし、和食などのダウナー系の料理を食べるようにすることで、次第に味覚が変わってアッパー系の料理は味が濃すぎて食べられなくなり、自然と食生活を変えることができる様です。

又、運動面においても脳には無理や大きな変化を嫌う特性があるため、新しく運動習慣を始めても元の生活に戻りやすいようで、忙しい人や運動が嫌いな人が継続するのはさらに難しいようです。会社のデスクワーク時に体に負担をかけない、体幹を使った正しい姿勢(椅子には浅く座ってへその下に力を入れ、肩を一度上げてから力を抜いてストンと落す)をとることで座っていながら筋力アップ・ダイエットに効果があるようです。

とはいっても、やはり一番大事なことは自分の意志だとは思うのですが、自然と脳から出される信号を変えるような日常生活を心掛けることで、脳の働きを味方にできれば無理なくできる生活改善できるのでは・・・。

消防コーナー

地震に備える49

名古屋市消防局OB 近藤 博

 

昭和19年(1944年)東南海地震(21)

 

 引き続き、「中央防災会議「災害教訓の継承に関する専門調査会」報告書1944

東南海地震・1945三河地震 平成19年3月」の報告書をもとに、三重県の熊野灘沿岸における津波被害の実態をみていきます。

 

  • 三重県の被害(その7)

「最初に津波を認識したときの津波の形容」の体験談の続きになります。

3 大波としてすごい速さで向かってきた

(4) ゴーというトラックが近づいてくるような音

尾鷲市賀田町 榎本むゆか

   「地震のあと、「ゴー」という、まるでトラックが何台もが近寄ってくる

ような音を聞き、近くの人の「津波が来るぞ」という声を耳にして、早速

近くの畑から山に登った。すると間もなく山のような大きな波が重なるよ

うにして入り江に向かって押し寄せていき、その波が引くようになると、

何軒かの家の屋根だけ見せて、材木やその他色々の物がどんどこ沖へ沖へ

と流されていくのが見えた。」

  1.  土もろとも押し流される

南勢町五ヶ所浦 山本光善

「先生の「みんな逃げろ、津波が来る」という言葉で、私は急斜面の坂

道を一気に駆け上がった。海を見ると、湾の潮が海岸をものすごい速さで

超え、濁流となって前田の田圃に流れ込んで来た。そのうち海岸沿いの松

林は大小といわず、根元からごっそり抜き取られ、土もろともちょうど島

が動いているように、ゆっくりと奥の方へ押し流されていった。」

 

4 静かに水が満ちながら迫り寄ってきた

  1.  津波の引き潮によって破壊される

   尾鷲市須賀利 武藤郁子

「須賀利小学校の1年生31人を受け持っていた。地震が終わった時、村

の人が「津波が来るぞ!津波が来るぞ!」と叫んでいた。私は裏山へ児童

を促し、全員避難させた。津波は静かに静かにぶくぶくとどんどん満ちて

きた。津波の引き潮の偉大な力によって家が流されたり壊されたりするの

がはっきりとわかった。」

 (2) 津波が温泉のように湧いてくる

尾鷲市港町 岩崎桃枝

「地震のあと、おばあさんの「今晩は津波が来てたいへんなことになる」

という言葉を聞いて準備をしていたときに、浜の方から「津波や」と呼ぼ

てきた。そこで新道へまっすぐ逃げた。波は底から温泉のように湧いて来

る。その恐ろしさは目について何日も寝られなかった。

逃げる途中で、中井の橋を渡ったが、橋と海水の間は1mくらいの感覚

しかなく、泥水になってぼこぼこと湧くようにして増えており、ザーアザ

ーアと流れるようではなかった。昔から地震が起きてから津波が来るまで

時間があるので、御飯を炊いてから逃げたらよいと聞いていたが、そんな

暇はなかった。」

 (3) 台風の波と違って「グー」と増えてくる

紀勢町 谷口吉蔵(当時34歳)、谷口貴代(当時31歳)

「地震が揺すってから第1波が来るまで約30分くらいあったと思う。台

風の波みたいにグワーと来ない。「グー」と増えてくる。第1波で屋根が

取られ、第2波が引いていく時、家の物が流された。」

 

5 川上に向かって泥水がさかのぼってきた

 (1) 川上へのながれがみるみる泥の急流へ

海山町五ヶ所浦 富田紀子

「当時、役場に勤めていた。地震のあと、下の神社の五ヶ所川の水が川

  上に向かって流れてきて、みるみるうちに泥の急流になった。今でもあの

  流れを思うと、もしも人が落ちたら助からないと思う。」

 (2) 石油タンクが流される

尾鷲市矢濱 塩崎泰治(当時13歳)

「地震後に、開墾山に急いで避難した。2回目の津波のときに、天満の入

り口にあった石油タンクがすごい速さで中川を遡り、瀬木山の下の石垣に

ぶつかった。あれよあれよという間だった。」

 (出典 「東南海・南海地震誌」南勢町教育委員会 2005

「東南海地震津波より45年 地震体験談」紀勢町 1989

「東南海地震体験談集」尾鷲市立矢浜公民館 2001

「東南海地震体験談」尾鷲市立中央公民館 1994)

法律コーナー

自動車保険契約の詐欺による取消

弁護士   松 永 辰 男

 

 X1が自動車を所有し、X2が運転する自動車と、Aが所有して運転する自動車(以下[A車]と言います。)との間の交通車事故について、XらはAに対して損害賠償請求をして勝訴したので、更に、A車を保険契約車両として契約した保険会社に対し保険金支払請求をした事案です。その保険契約ですが、Aが、妻でありますBの代理人になって、保険契約車両をA車、保険契約者及び記名被保険者(有効な運転免許証を有し、契約車両を「主に使用される方」等から1名を選択して記名する人)をAの妻でありますBとして保険会社の代理店において保険契約を締結したものです。ところで、保険契約車両でありますA車はBの夫でありますAの所有であり、この車両の使用は専らAでして、しかも、Aは運転免許取消処分を受けており、その後においてAがBの代理人となって保険契約を締結したものでして、しかも、Aは無免許の状態でA車を運転中に自動車事故を起こしたものです。裁判で保険会社は、Aは、「Bの代理人として本件保険契約を締結するに際し、実際には、運転免許を有しないAのみが、A車を運転し、同車を自由に支配・使用しているにもかかわらず、これを秘して、記名被保険者をB、契約車両をA車とするする旨の自動車保険契約申込書を作成し、」保険会社代理店に提出したものであり、これは自動車保険契約における告知事項である記名被保険者につき、故意に事実と異なることを告げた場合に当たると主張し、更に、妻であるBには別の車両があって、A車を使用することは全く予定されていなかったのであるから、Bは、本件保険契約の記名被保険者にはなりえない、と反論しました。そこで裁判所は、本件保険契約の約款において、「記名被保険者の配偶者等を補償の対象となる者に含めているのは、・・・自動車保険契約が機能を発揮し、被害者救済を実現するためには、被保険者になりうる者の範囲を記名被保険者と身分的、経済的に一体性が強く、契約車両の使用頻度の高い者に拡大する必要があるためと考えられる。そうすると、記名被保険者の配偶者等が補償の対象となっているからといって、このことから直ちに、これらの者が上記危険を判断するために適切なものであるとはいえず、契約車両の主たる運転者の配偶者が記名被保険者に該当する者とはいえない。」と判決しました(大阪地方裁判所令和1年5月22日判決・判例時報2435号54頁)。自動車保険契約の趣旨・目的が、被害者救済であることを前提にした判断でして参考になる判決と考えられます。

 

木祖村コーナー

木祖村コーナー

編集後記

編集後記

◎ 新型コロナウィルスの感染拡大が社会問題となって3か月あまり経過しましたが、まだまだ収束には程遠い状況が続いています。新聞、テレビなどの報道も新型コロナウィルスに関するものばかりとなっています。

 5月6日を期限として出されていた「緊急事態宣言」も5月31日まで延長となり、まだ暫くの間、あらゆる面での自粛を求められる状況が続くと思われます。

「緊急事態宣言」の延長については、ほとんどの人が予想していたと思いますが、延長に際し理由の説明もほとんどなく、また解除に向けての具体的な指標が全く示されなかったことに失望した人も多かったのではないかと思います。新型コロナウィルスの収束は誰もが望むことですが、一方で、毎日の生活を続けていかなければならず、出口の見えない延長にはストレスが溜まります。

新型コロナウィルス特別措置法では、緊急事態宣言の発令や解除は政府の判断となるが、休業要請などは都道府県知事の判断とされていることからかもしれませんが、国難とも言うべき事態であり、地方に丸投げでなく国としての指針を示すべきだと思います。

◎ 名水協の通常総会および水道会館の株主総会については、組合員の皆さまの安全と健康を考慮し、委任状および書面議決書により参加いただくこととし、当日は役員を中心に限られた人数で議案の審議のみの開催としましたので、ご理解ください。また、会場についても、緊急事態宣言の延長を受け、予定していた東急ホテルが5月中休業となったことから、急遽「アイリス愛知」に変更しての開催となります。

◎ 現在休校しています「名古屋建築設備高等技術専門校」についても、愛知県においては、県立学校の休校期間が5月31日までに伸びたことを受け、同日まで休校となりました。訓練生を派遣していただいている事業主の皆さまにはご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。

◎ 緊急事態宣言から約1か月「STAY HOМE」に努めたことで新規感染者が減少したことで、自粛緩和が検討されていますが、緩和後の第2波、第3波も心配されます。新型コロナウィルスの収束には治療薬やワクチンの開発が必須です。世界各国で開発に向け研究を進めているようですが、まだ暫く時間がかかるようです。一刻も早く治療薬が開発され、これまでの生活が戻ることを願っています。

(T.T)