『豊国神社』第35回フォトコンテスト優秀賞 撮影:水道組合 山口雄一郎 氏

『豊国神社』第35回フォトコンテスト優秀賞 撮影:水道組合 山口雄一郎 氏

かわいい草花

バイカウツギ

水野 博子 氏 (安井管工業㈱)
水野 博子 氏 (安井管工業㈱)

 バイカウツギ(梅花空木)とはアジサイ科の植物の一種で別名サツマウツギ。

落葉低木の一種で6~7月頃に白い花を咲かせる。16世紀、神聖ローマ帝国の使者オジェール・ギスラン・ド・フズベックによってヨーロッパに紹介された。1597年にはジョン・ジェラードの庭で大量に栽培されていたことが確認されている。日本では本州、四国、九州に分布し観賞用に栽培され花は香水の材料として採用される。葉をもむとキュウリの匂いがする。匂いをかぐことによって酩酊したような気分になる人もいる。ジェラードはバイカウツギの匂いのため眠れなかったことがあると述懐している。また、E・A・ボウルズによって花粉症の原因となることが指摘されている。

詳細

総   会

第71回 通 常 総 会

開催日時   5月21日(金)午後3時30分

開催場所   名古屋東急ホテル

組合員数   299名

出 席 者   288名

         (委任状出席252名を含む) 

 

*被表彰者名簿は右上部【詳細】に掲載

祝   辞

第71回通常総会 上下水道局長祝辞

名古屋市上下水道局 局長 飯田 貢

 

本日は、名古屋市指定水道工事店協同組合 第71回通常総会が開催されましたことを心からお慶び申し上げます。

 皆さま方には、平素より本市上下水道事業に格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。この場をお借りいたしまして、厚く御礼申し上げます。

 このたび、優良指定工事店並びに永年勤続優良事業者として表彰させていただいた皆さま方には、改めてお祝いを申し上げますとともに、今後とも、お客さまから厚く信頼され、親しまれる工事店として、さらなるご活躍をご期待申し上げます。

 さて、今年は東日本大震災から10年の節目の年でありますが、この数か月の間にも余震とみられる大きな地震が東北地方で立て続けに発生し、我が国は地震大国であることを改めて感じさせられました。本市においても南海トラフ巨大地震がいつ発生してもおかしくない状況が続いており、災害に対する備えが急務となっております。上下水道局では、災害時に必要な機能の優先度を考慮しながら、改築・更新にあわせて施設の耐震化に取り組むとともに、他都市や民間企業との連携の拡充や、災害時に他都市応援隊を円滑に受け入れるマニュアル整備などソフト面における応急活動体制強化にも取り組んでおります。

 名水協の皆さまとは、平成28年8月に「災害時における仮設給水栓の設置等に関する協定」を締結し、本市より仮設給水栓を寄託させていただいております。災害時には、皆さまのご協力により迅速に応急給水を行うことができるため、大変心強く思っております。日頃より本市域全域にわたるネットワークを持たれる組合員の皆さま方のお力が、必要不可欠であると考えております。残念ながら、5月12日に予定されていました貴組合主催の防災訓練は、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより中止となってしまい、熱心に準備に取り組まれていた関係の皆さまにおかれましては苦渋の決断であったとご心中お察しいたします。今後も引き続き、災害発生時における迅速な対応へのご協力をお願い申し上げます。

 水道は命を守る非常に重要なライフラインであり、私ども水道事業体は「安心してお飲みいただける安全な水道水」を24時間休むことなく、お客さまのもとにお届けすることが使命でございます。こうした使命を果たすにあたり、貴組合の皆さまの地域に根差した活動は、本市にとって欠かすことのできない心強いものとなっております。引き続き、皆さまと強い連携を図りながら、市民生活や社会活動を支え続け、より一層、お客さまから信頼される上下水道事業を目指してまいりたいと考えておりますので、これまで以上のご支援ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 最後に、名古屋市指定水道工事店協同組合の皆さま方が、組合員一丸となって末永く発展されることを祈念いたしまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。

 本日は、誠におめでとうございます。

 

株式会社 水道会館総会

第65期定時株主総会

開催日時  5月21日(金)午後3時

開催場所  名古屋東急ホテル

 

 株式会社水道会館代表取締役水野でございます、株主の皆様には平素から

水道会館の運営に多大なるご理解、ご協力を賜っておりますこと心より厚くお礼申し上げます

私は昨年の総会におきまして引き続き水道会館の社長という大役を仰せつかることとなりましたが、皆さま方のご支援のおかげで今日まで無事務めることができました、改めて感謝申し上げる次第でございます。

 本年の株主総会は昨年に引き続き緊急事態宣言のもと新型コロナウィルスへの感染防止対策が求められる中での開催となることから、株主の皆さまの安全と健康を考慮し昨年同様、一般の株主の皆さまには書面決議での参加をいただくこととなり、当日は当会館及び組合の役員の皆さまのみの出席で開催をさせていただきました。

 総会議事は事前に皆さまのご承認をいただいており全ての議案が可決承認されました、今後とも水道会館の運営につきましてご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

当水道会館は昭和31年の設立以来、今年で65年を迎えることから記念誌の

発行を予定しておりましたが新型コロナウィルス感染症の影響で編集作業に支障をきたすことから誠に残念ではありますが見送ることといたしました。

また、水道会館の建物も耐震改修工事は完了しておりますが、これから10年20年と年月を重ねるごとに老朽化していくことは避けられないことであり、いずれ水道会館の建物の大規模リニューアル、もしくは建て替えが必要になって来ると思われます。

今後、水道会館の建物をどのようにしていくかということを議論する必要があると思いますが、10年後20年後を見据えて議論するとなると現在の役員だけではなく青年部会員の皆さまの若い力と柔軟な発想が必要不可欠ではないかと思い、今年度より水道会館として青年部会の新規事業計画に協力させていただくことにいたしました。

青年部会員の皆さまより、これからの水道業界、水道会館について前向きな考え、ご意見がいただければ幸いでありますのでよろしくお願いいたします。

最後になりますが新型コロナウィルスの一日も早い収束と、株主の皆さま方の益々のご健勝を祈念いたしまして私のご挨拶とさせていただきます。

会議コーナー

定 例 理 事 会

1.開催日時   6月3日(木)

           午後3時

 

1.開催場所   水 道 会 館

 

1.理事定数   17名

 

1.出席理事   17名

鼎談特集コーナー

鼎談 ― 「持続可能な上下水道サービスに向けて」(その2)

――局の経営方針に対し、どういった事業展開を考えていますか。

 

丹下 改正水道法でも、経営基盤強化に向けた官民連携、それから広域連携の重要性がうたわれており、NAWSとしても改正法の精神、そしてそれに基づく局の経営方針に足並みをそろえていきたいと考えています。

広域連携に関しては、経営プランでも「近隣事業体のニーズに応じNAWSを通じた業務支援によって課題解決に寄与する」という方針を掲げていただいています。本来は官官連携が理想かもしれませんが、公営事業体として直接手が届かない部分に、外郭団体であるNAWSが橋渡しを担わなくてはという思いがあります。地域性や歴史的経緯からみると事業体同士が事業統合を実現するのは壁が高いですが、事業持続可能性という意味で言えば、地域ごとに形成できる同一性を模索するべきであり、そこにもNAWSが少しでも力になれればと思っています。

現在NAWSでは6市2町の事業体に対して、上下水道工事の監理業務やメーター検針等の営業関係業務、給排水関係業務、それから計画策定支援など、幅広く連携支援を行っていますが、実際に中小規模の事業体の運営は厳しいものがあると実感しています。まさに民間企業の力を借りざるを得ないという状況です。職員、特に技術職の減少が進み、技術継承どころか、委託業務のモニタリングにも苦労しているとの声を直にお聞きします。

 こうした現場に対し、NAWSは局職員として技術力を培ってきたOBや派遣職員に知恵をお借りし、能力を発揮いただいて、連携支援を実施してまいりました。同時にプロパー社員の確保・育成にも努めており、知識・経験・ノウハウの移転も進んでいます。今後もプロパー社員、派遣職員、OB職員と、さまざまな人材の能力を合わせて社会環境の変化を捉えた事業を進めてまいります。

 一策として、コロナ禍を一つの機会として捉え、4月から新たな取組みとしてオンライン講習を始めました。メニューとしては水質管理の基礎と実務、配水管の基礎知識、給水装置入門の3部門で、聴講者へはアフターフォローも実施する考えです。たとえコロナが終息したとしても、一度変化したビジネススタイルは引き続き採用され、ますます進んでいくだろうと思っており、こうした取組みは継続していきたいと考えています。

 また、今後はドローンを用いた事業も検討しています。目視による点検が厳しい水管橋や雨水滞水池内部等の点検作業や広報資料の作成等に貢献できるのではないかと考え、弊社の社員2人がドローン技能認定講習を修了したところです。国ではドローンの操縦ライセンスを含む航空法の改正が閣議決定され、ドローンの利活用推進に追い風が吹いています。これからも状況をしっかりと見定めて、ドローンの購入も含めて事業の進め方を考えてまいります。

そして繰り返し話に挙げていただいている雨水ポンプ所の運転管理についても、大変な責務であると認識しています。幸い社員も強い責任感と、相当な緊張感をもって取り組んでくれており、信頼にしっかりとお応えしたいと思います。

 

穂刈 名水協としても、局の今後の経営方針、NAWSとの協力関係を踏まえ、三位一体で進んでいきたいという思いであります。

実際の仕事の進め方としては、名水協は16人の理事が、四つの委員会と四つの部会にわかれて活動内容を討議し、結果の検証と、各支部からの意見を理事会にフィードバックするということを繰り返し、コンプライアンスの徹底に努めています。約300社の組合員の仕事に対する意識の高さが強みと捉えています。

中でも今、最も重視しているのが人材育成です。この業界に根付き、支えてくれる人材を育てていくことがわれわれの使命だと認識しています。

 その象徴的存在が名水協青年部です。現在53社、約120人で構成され、組合のエンジンとして、さまざまな行事やイベントで活躍してくれており、彼らがわれわれの意思も引き継いでいってくれるだろうと期待しています。

青年部は毎月1回夜間勉強会を開催しており、これまでに168回実施しています。昨年度は新型コロナの影響で開催できませんでしたが、今年度はコロナ対策をとって実施していく予定をしております。新技術・新製品の勉強もさることながら工場視察も幅広く実施しています。

 局の水道週間イベントである水フェスタでも、パイプ工作の指導などを担当しており、毎年待ち客がでるほどの人気ぶりということです。局の役に立つという経験を若いうちから身近に体験することが、将来精神的な部分で影響していくのではないかと考えています。

 そして組合として専門校を運営しているのも大きな強みです。名古屋建築設備高等技術専門校は平成5年に設置され、お二方にも修了式にご足労いただいた令和2年度(第28期)卒業生までを含めると、500人を超える卒業生を輩出し、業界で活躍しています。今では名古屋の組合員のみならず、愛知県内からも生徒を受け入れており、令和3年度も全部で15人が入校しました。局やNAWSからも講師を派遣していただいており、心から感謝申し上げます。

溶接配管などの技術習得や、JW CADの基礎を学べる授業が好評ですが、技術面もさることながら、上下水道に関わる法律の基本的な部分から、地域の条例まで教えられる機関というのは、愛知県では他にないと認識しています。その機会の重要性とともに、将来の期待を重ねて伝えており、思いを受け継いで、将来局やNAWSとともに事業を進めていってほしいと期待をかけています。おかげさまでこれまで給水主任技術者試験・排水責任技術者試験の合格率は高水準で、他にも管工事施工管理技士・電気工事士資格にもチャレンジする生徒も増え、積極的な姿勢を心強く思っています。

 また、官民連携という点で言うと、名水協は早くから官公需適格組合の資格を取得し、公共の仕事を積極的に受注できるよう努力を続けています。今年度も一般満期メーターの取替業務の数を大幅に増加いただき感謝申し上げます。今後も委託業務が増加されることを期待し、それに応えるべく組合側も常に準備し技術を磨いているところです。

逆に言えば、そうした事業の流れ、展望についてわれわれに早くお伝えいただければと期待しています。そうすれば体制も整えられるし、結果として市民へのサービス向上にもつながっていくのではないでしょうか。

 

 ――3者の連携は年を追うごとに強まっていると感じています。やはり災害対策の緊迫性が高まっていること、それから人口減少に伴う労働者人口の減少という懸念が共有されてきたからではないでしょうか。局長の立場からは3者連携の意義をどう見ていますか。

 

 飯田 災害時対応という点では、やはり近年の激甚災害を見ると、局単独での対応は困難と言わざるを得ません。ましてや人口減少にあわせて職員体制がよりスリム化していくことになればなおさらです。その意味では、局の補完代行を担うNAWS、日ごろから地域と連携する名水協の3者が一体となって初めて地域全体をカバーできるのだと考えています。これは局だけでも、NAWSだけでも、名水協だけでも無理であって、三位一体になって初めて機能するのだということは、局長着任当時からの思いです。

平時からポンプ所の運転管理や、検針、満期メーターの取替、施工管理、また屋内修繕工事の初期対応など、当局でなかなかできない部分を支えていただいていることからも、災害時に限らず、事業全体として両者の力を借りて進めていく必要があります。

 その意味では、三位「一体」ではあっても「一様」ではなく、それぞれの特色を生かし、役割を分担していくことが非常に重要です。情報を早めにという話もあったので、できるだけオープンに、また相談をしながら、これまで以上に連携を深めていきたいと思います。

 

丹下 人口減少に伴うマンパワーの減少の話が繰り返し出ています。また、料金収入も減少傾向にある中で、施設や管路の更新も着実に進め、災害対応も図っていかなければならないという全国共通の課題があります。

そういう中でも名古屋市上下水道事業の運営を持続可能なものとすべく、貢献するのがNAWSと名水協の使命だと心得ています。だからこそ、局長がおっしゃったように、われわれを一つの共同体としてさらにご活用いただければありがたいです。それが本当の意味で名水協と外郭団体であるNAWSの存在意義につながると考えています。

 NAWSの前身である財団法人水道サービスは、昭和38年に名古屋市指定水道工事店協同組合の特別事業部として発足したのが起源。名古屋市上下水道局がNAWSの親ならば名水協は兄弟ということになります。一家の連携を強固にしながら、災害対応も共にしていくことが、市民の暮らしを守るためにも大事なことです。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

 

 穂刈 名水協には地元に根差した300社のネットワークがあり、局、NAWSへの協力を入れた災害発生時の体制づくりを進めています。例えば重要な給水拠点が市内に何カ所あり、そこに何人の人員を出動させられるか、どういった応援資材があるかなどのヒト・モノの把握に努めているところです。また、安否確認アプリを導入しており、発災時にはすぐさま安否確認を行うとともに名水協災害対策ネットワークを立ち上げて活動できるよう訓練しています。特に初動時には局の指示のもと、NAWSと連携を取りながら、迅速に活動できるようにしたいと考えています。

 加えて、名水協の本拠地である水道会館が地域の防災拠点となるべく、水道会館の敷地内にも仮設給水栓用の消火栓を設置してもらえると伺っています。これにより常時立ち上げ訓練が可能になりますし、非常時には応急給水拠点として貢献できるはずです。

せっかくの機会ですから要望させていただくと、営業所の再編については名水協としても非常に注視しています。それというのは組合員も各種の申請や設計・工事相談のため営業所に出向いて指導いただいてきたわけですが、局長もおっしゃったように、統合を重ね4センター化することで距離が生じることになります。できれば申請の簡素化、データの共有化や電子化等、組合員が直接出向かずとも仕事に影響がでないような配慮を進めてもらえればありがたいです。市民のためにも通水までの時間短縮にご協力をお願いできればと思います。

 また、残念なことに名古屋市内には悪徳業者が多いようで、組合の方にも消費者センターからの問い合わせや、被害者弁護団が来たこともあります。同じく被害が多いという神戸の管工事組合に意見交換に行ってきたのですが、どうも同じ系列の業者が手をまわしているようです。かつてに比べると一口当たりの被害額が小さくなり、泣き寝入りする利用者も多いということです。名古屋市民のみならず、上下水道に関わる詐欺は見過ごすことはできません。名水協としては、被害の再現ビデオを作成し、組合のHPに掲載して被害が起こらないよう注意喚起をしていますが、できれば局においてもこうした周知に協力いただければありがたく思います。

 

 飯田 改めて、上下水道事業はライフラインとして市民の生活には欠かせないものです。その重要な事業を支えるのにふさわしいのは、まずは当局のような公共企業体。それから委託するにも、いわゆる“安かろう、悪かろう”とは全く異なる、品質や安全性の確保が最重要です。そうなると、やはり信頼できるパートナーであるNAWS、名水協と、これまでの歴史で築き上げてきたものを生かし、三者一体でやっていくべきだと考えています。

 今後の事業環境を見通すと、人口減少や自然災害、さらにはコロナのような事態も起こるでしょう。先が見通せない中で、基盤を強固にし、事業を継続していくためには、やはり日ごろから連携を深めることが重要です。今のお話のように、それぞれの最前線の情報やご意見をよく聞きながら、これまで以上に距離を縮めて事業に臨む必要があると再認識しました。

 特に災害については、想定外とは言わないように、日ごろから連携した訓練や対策で、一体感を持っていきたいと思います。引き続きご協力をお願いいたします。

青年部会コーナー

第170弾定期夜間勉強会

開催日令和3年5月19日

参加人数26名

技能開発部会・青年部会共催

 

 第170弾定期夜間勉強会はフジテコム株式会社様をお招きし、『電子音聴器による宅内漏水調査』について行いました。

漏水調査と一概に言っても、状況によりさまざまで例えば、工場、学校など広大な場所の漏水調査では主に時間・人手がかかり、また、漏水懸念箇所がコンクリート、床下などの場合には主に掘削やキャップ止めなどの手間がかかります。

 そこで、今回紹介していただいた音による漏水調査『電子音聴器』を用いた場合、音を聞き分けて位置の特定を行う事で時間や手間を少なくし、お客様への不安や負担を減らす事が期待されます。

音を聞き分け漏水を探知する際のポイントは、まず、面の調査(どの地区が漏水か?)線の調査(どの管路が漏水か?)点の調査(漏水位置はどこか?)と状況を分ける事。

そして、漏水量・管材質の把握により漏水音の伝搬状況が違うため音質を聞き分ける事。さらに例えば、硬いアスファルト・コンクリート・タイルなどは比較的聞き取りやすいですが、柔らかい土・砂・芝生などは聞き取りにくいことがあるように、漏水音を聞き取りやすさ、つまり路面状況による音の伝搬の差も考慮しなければなりません。

 それらを踏まえたうえで、勉強会では3種類の製品と模擬配管を準備し、材質の違い、漏水距離での伝搬状況、路面状況による差、特にコンクリート下での音による位置特定などを3種類の音聴器をそれぞれ用いて、聞き取る音の大きさが変わることや、現場状況の違いで音聴器を使い分ける場合があるなど様々な状況を、参加者に実体験を交えながら講義していただきました。

 しかし、音での調査には不向きな事もあります。それは微少漏水や周辺騒音が大きい場合です。そのような際は、給水管内の水を抜きガスを管内に充填し、ガスを検知することで漏水位置を特定する方法を用いることもあると教えていだだきました。

 今回の勉強会では、いままで漏水音を聞いたことのない参加者にも体験していただき非常に良い機会となったのではないかと思いました。

定期夜間勉強会では様々なテーマで開催されております。日常の業務において活用できる情報を得ることができますので皆様のご参加をお待ちしております。

 

青年部会 天白支部

佐橋 悠児

特別寄稿コーナー

白い塔

名古屋市上下水道局 東部営業センター 主幹 中村 一登

 

 今年4月から上下水道局東部営業センター主幹として同センター中分室に勤務している中村でございます。名古屋市指定水道工事店協同組合の皆さまにおかれましては、平素より上下水道事業に多大なご協力を頂き、誠にありがとうございます。

 さて、少しだけ私の思い出話にお付き合いください。子供の頃に住んでいた家の近所の高台に、高さ25mほどの円柱状の白い塔がありました。近隣に他に目印になる建築物が無いような田舎だったので、子供たちは待ち合わせをする場所としてしばしば利用していました。ある日、いつものように待ち合わせの約束をしていた私が塔に到着すると、先に来ていた友達数人が一様に塔を見上げていました。どうしたのかなと私も塔を見上げてみると、青い服を着た男の人が塔のてっぺんで何か作業をしていたのです。「怖くないのかな」「風が吹いたら危ないよね」などと話しつつ、しばらくその男の人を見続けていました。

 帰宅して、祖母にあの白い塔が何のためにあるのか聞いてみたところ、「水道の水が出るようにするためにある」と教えてくれました。続けて祖母は、水圧がどうのこうのと教えてくれましたがさっぱり分かりませんでした。ただ、水道っていろいろ大変そうだなと感じたことを覚えています。

 それ以来、じゃ口を開けたりシャワーを浴びたりする際に、時々あの白い塔を思い浮かべるようになりました。進学して一人暮らしをするようになってからは、帰省するバスの車窓に高台の白い塔が見えはじめると、「やっと帰ってきたな」とほっとしたものです。いつしか円柱の白い水道の塔に少なからず愛着を持つようになっていました。

 新規採用職員として上下水道局に配属された後、あの白い塔が「配水塔」であることを知りました。また、故郷の何の変哲も無い白い円柱の塔に比べて、名古屋の配水塔・旧配水塔がどれも個性的な外観を持っていることに面白さを感じました。

 「土木学会選奨土木遺産」として認定されている配水塔・旧配水塔は令和2年度時点で全国に6塔しかありませんが、そのうちの2塔は名古屋の東山給水塔と旧稲葉地配水塔です。アイスクリームのカップのような形の猪高配水塔、円盤やワイングラスに例えられる鳴海配水塔など、他の配水塔もそれぞれに魅力があります。

 こうした魅力が愛着につながり、愛着を事業理解につなげることができれば、お客さまの信頼を塔のように積み重ねることができるのではないかと想像しつつ、この原稿を執筆している6月上旬が命日である祖母の写真の前に祖母が大好きだった氷水を供えました(「氷水が一番おいしい」が祖母の口癖だったことを執筆中に思い出しました)。名古屋の水道水の味もきっと気に入ってくれることと思います。ただ、配水塔の仕組みをもうちょっと分かりやすく教えて欲しかったよ、ばあちゃん。

猪高配水塔
猪高配水塔
鳴海配水塔
鳴海配水塔

筆の泉コーナー

「随筆・エッセイなんて書けん」

名古屋市上下水道局 東部柴田水処理事務所 

                         主事 長田 浩幸

 

 それだけは、その言葉だけはいってはいけないと思いつつ“タイトル”にしてしまった。趣味や仕事の話、友人との旅行記なんかで、少し内容を膨らませてサラーっと書けるのでないかと簡単に引き受けてしまった。

 新しい職場に異動し、何事もやらねばという積極性という名の熱き使命感に燃え、“書いてもいいですよ”とサラーっと言ってしまった僕に、今さらながら後悔している。というのもネタがない。サラーっと書けるネタが見つからない。

 随筆、エッセイなんて書いたことすら読んだことすらもない。何ものなんだ。読書感想文や絵日記に似たものか。それともツイッターやインスタグラムに似たものなのか。どっちにしても苦手なものに変わりはない。悩んでいる間にも、刻一刻と原稿の締め切りの期限が近づいてくる。

 なんだろうこの感覚は、資格試験・人間ドックの結果待ち・異動の内示・親しらずが抜けるまでのなんともいえない空虚感。チックタクチックタックと時計の針が動きをとめることなく僕を追い詰める。締め切りだぞー。まだ書けんのかーって。締め切りという最終通告にむけ、どんどん時間だけが空しく進んでいく。とにかく手に汗にぎる緊張と焦りが、一日中体をめぐる。

 いつになったらこの感覚から抜け出せるのか、答えは一つ。締め切りまでに原稿を書き上げるしかないのだ。組合だよりに、初の“かざ穴”を開けるにはいかない。前代未聞の真っ白なページ。タイトルは、“僕の頭の中”ってタイトルで。できたやないかーっと感心してしまう。いっそのことそれもありかも。これの繰り返しだ。真っ白だっていうと、清潔・清楚と良いイメージしかわかないが、僕の場合、シンプルに無彩色。全くもって空白だ。何もない、からっぽなのだ。

 何かネタを見つけなければと、組合だよりをたよりに読破するも、書かれた方すべてが素晴らしいネタ。また、書き方もすごく素敵。“夕焼け空にたそがれ~”みたいな、到底、私のボキャブラリーにあるわけでもなく、どこをどう押しても今の無彩色のからっぽの僕からでてくるような言葉でもない。

 いまの世の中、インターネットの検索ウィンドウに“ 随筆 エッセイ 例文 ”と検索すれば、いっぱい参考になる例文が出てくる。大変ありがたい世の中だ。

小学校の夏休みなどに出される読書感想文や絵日記なんてちょろいもん。あんなに苦しめられた宿題の呪縛から、いっきに解放されるのだから。このままコピればもう完成したも同然。締め切りなんて怖くない。締め切り前日にサラーっと検索して、コピって、職場と自分の名前を書いて提出。こんな楽に勝てる試合はめったにない。また悪い自分がここに。いい子・わるい子の葛藤がすばらしい。

 また、“ 随筆 エッセイ 書けん ”と検索するとこんなありがたい言葉が。「身近にあるネタを見つけるには、まず日記をつけること。」おーこれだ。

 今の僕を救ってくれるのは日記を書き、ネタを見つけることだ。こうして日記をつけだしたのが5月10日。生まれてはじめて日記をつけだした。ここでも問題発生。日記ってなにを書けばいいの。日記に書くネタも見つからない。今日何時に起きて、朝ご飯はTKGを食べ。電車にゆられて出勤。可もなく不可もなく仕事を片付け、帰宅。いつもどおり晩御飯を食べ、スマホをいじり、風呂につかり、就寝。日記というのは毎日、同じことを書いてもいいのか。

 これほど何もない日常も日常だが、ここまでネタがないとは。そうだ、ここまでネタがないのも自慢ができる。ネタがないことをネタに書いてみるか。と今回の“組合だより”の寄稿とさせていただいた。これを読めば、“組合だより”の寄稿の垣根もさがり、多くの方々がこぞって寄稿をしたいと思われることを節に願っています。また、無彩色の僕にどうかどうか“いろ”を分けてください。

談話室コーナー

お金の使い方

千種支部・協立設備工業 株式会社  

 鈴木 崇仁

 

 僕はお金の使い方が結構荒いほうで、且つあまり気にしていなかったのですが最近、家計簿をつけ始めました。そんなに凝ったものではなく、いつどこでいくら使ったのかくらいの簡単なものですが。

 きっかけは自粛生活の中にあります。以前は外出した時に欲しいものがあれば買うし、食事はほとんど外食で済ませる。など到底配慮しているとは思えない使い方です。しかし自粛生活ということで、出かけることは殆ど無くなったし外食もしないから、出費はかなり抑えられるのではと思いました。しかしそんなことはなく、パソコン・スマートフォンがあれば、わざわざ自分で出かけるより遥かに多種多様な買い物が出来ます。出前サービスの充実もすごく、食べ物に困ることもありません。これは革命的と言わざるを得ない。あまりに便利すぎて節約どころか加速しているのではないかと思い、目に見える形であらわしてみようと思いました。

 まずは固定費から入れてみる。家賃等がかかってくるので金額が大きいけれど致し方なし、車まわりの費用が少し気になるくらい。使用頻度にしては大きめの金額だけど、無いと困ると考えてしまうので飲み込む。大きく変えられる部分は少ないけど通信費に関してはキャリアから格安SIMに乗り換えたことで半額以下になった、こんなうまい話しあるのかと思うくらい下がるので、気になっている人は検討することをお勧めする。デメリットもあるけど僕にとってそれは0に等しかった。

 次に変動費についてみてみる。不思議なもので、お金を使うたびに家計簿をつけるとなると、どれくらい使ったのかを否応なく意識するため、途端に必要な分しか買い物をしなくなる。以前は殆ど毎日コンビニに寄ってたくさん買い物をしていたのが、スーパーで必要最小限の買い物で済ませるようになる。食費は結構ネックになっていたので分かりやすい進歩なのではと思う。後はインターネット上でカード等を使って買い物をすると、便利な反面消費したという意識が薄く、使い込みがちだったのも数字で残すことによって改善がされていきました。買い物ばかりしているとアプリ上のカレンダーが数字で埋まっていってモヤモヤするのでこれはかなり有効に働いているのではないかと思いました。

 なんとなくでやってみたのですが、思いのほか効果がありそうなのでこれからも続けてみようと思います。実は以前同じことをやったのですが、全く効果がなかったためこういうのには向いてないと思っていましたが、時間が経てば意識も変わっていくものだなと実感しました。

消防コーナー

地震に備える62

名古屋市消防局OB 近藤 博

 

「稲むらの火」を知っていますか。(3)

 

7 濱口儀兵衛(梧陵)の実際の行動

  「濱口梧陵手記」によれば概要は次のとおりです。

  「11月4日(1854年12月23日 新暦)四つ時(現在の午前9時過頃)強震

(安政東海地震)があり、震い止んだ後海岸で異常な潮の動きがあり黒い高

波が現れた。大震の後は海嘯(津波)がくるとして、村人らを八幡宮へ避難

させた。5日(1854年12月24日 新暦)になり、海面が穏やかになったため村

人らは家に戻った。午後に村人2名が井戸の異常な水位低下を訴え出、何か

地異が起こるのではと恐れていた処に夕方七つ時頃(午後4時半頃)大振動

(安政南海地震)があり暫くして静まった。

 村内を巡視する際、西南方向から巨砲を連発するような響きが数回あり、

海岸に行った処未だ異変が認められなかったが、心を休める遑(いとま)も

なく、怒涛早くも民屋を襲うと叫びがあり、疾走するなか激浪が広川を遡り

人家が崩れ流れていくのが見えた。自らも瞬時に潮流に半身を没し辛うじて

丘陵に漂着すると、背後には押し流される者、流材に身を寄せる者と悲惨な

光景が広がっていた。

  一旦八幡宮に行くと悲鳴を挙げて親、子、兄弟を捜す声が溢れ、日が暮れ

壮者十余名とともに松明を焚いて救助に向かうも流材が道を塞ぎ歩行を妨げ

ていたが、十余の稲むらに点火して安全な地を表示した処、これを頼りに万

死に一生を得た者が少なくなかった。暫くして八幡神社近くの一本松に引き

上げた頃に最大の激浪が襲来し、火のついた稲むらが漂い流れていく様子を

見て天災の恐るべきを感じさせられた。」

 

8 濱口儀兵衛(梧陵)と広村堤防

  儀兵衛は、地震発生時だけではなく、被災後も食料品、衣服、農機具、漁

具の提供、被災者用家屋の建設などを行い、村人の生活再建を支援していま

す。

さらに、100年後に再び来るであろう津波から村を守るために、紀州藩と交

渉し許可を得るや、私財を投じて堤防を構築することを決断し、早くも地震

の翌年に建設を始めています。この工事には津波によって職を失った村人も

多く雇われており、これにより、村人は職を得ることが出来、結果的に村の

離散も防いだことになります。

そして、約4年にわたる工事で、高さ5m、底幅20m、全長約600m余の広村

堤防が完成。堤防に沿って海側には松並木を植え、内側にはハゼノキも植え

て更なる防潮機能を加えたのも当時画期的な対策と称えられています。

併せて、ハゼの実から、和ろうそくを作りそれを村の収入にしたことも優

れた知恵として記録されています。

 

 堤防の完成から88年後の昭和21年(1946年)12月21日午前4時19分過ぎ、

紀伊半島沖を震源とするマグニチュード8.0の昭和南海地震が発生し、広村

は高さ4m~5mの津波に襲われましたが、居住地区の大部分は濱口儀兵衛ら

が築いた広村堤防によって守られ、被害は最小限に抑えられたのでした。

 居住地区の大部分を守った、広村堤防は、現在も残っています。

 

(出典 内閣府「広報防災」平成26年度秋号(第76号)、内閣府「災害教訓

の継承に関する専門調査会報告書」1854安政東海地震・安政南海地震―平成

17年3月、気象庁地震・津波パンフレット「稲むらの火」、和歌山県広川町濱

口梧陵記念館(資料室参照)及び『濱口梧陵傳』『濱口梧陵手記』, 武者金吉

『日本地震史料』毎日新聞社、1951年, p1576)

法律コーナー

建設機械売買の落とし穴

弁護士   松 永 辰 男

 

 割賦販売業者であるXは、A及びその関連会社であるBに対し割賦販売により大型建設機械である油圧ショベル1台とジョークラッシャー1台を引き渡しました。その後Aが民事再生手続開始の申立をする直前頃になりY1はこの2台の建設機械をAから買い受けたと言って1台をY1が使用し、もう1台はY1の関連会社でありますY2が賃借して使用していました。そこで割賦販売業者でありますXはY1とY2に対し、それら建設機械の引き渡しを求める訴えを福島地方裁判所いわき支部に起こしたところ、裁判所は、本件建設機械には所有権が留保されていることを示すペイントやプレート等はなく、その外観から見る限り、持っている人以外の人が所有していることを認識することはできなかった等という理由でY1が建設機械を即時取得したと判断してXの請求を認めませんでした。

 そこでXは判決を不服として仙台高等裁判所へ控訴しました。仙台高等裁判所においては建設機械のY1による即時取得を認めず、Y1やY2に対し、Xに対して建設機械を引き渡すよう命じました(仙台高等裁判所令和2年8月6日判決・判例時報2477号54頁)。

 ところで即時取得ですが、民法192条に定められていまして、土地及びそれ(土地)に定着した物以外の物を、取引により、穏やかに、公然と取得した場合は、それが他人の物であったとしても、所持している人を真実の所有者と信じて取得したものであるということで買い取った時点で即時に所有権を取得したという意味で即時取得という法律の保護を受けるわけです。動くものでも登記や登録をしてある車や船舶は、登記や登録を見れば誰の物か分かるので動産としては扱われません。

 然るに、仙台高等裁判所の判決においては、Y1がAに建設機械の所有権があると信じたことに過失があったことは明白であると言い、その理由として、建設機械は5000万円を超える高額であり、その売買は所有権留保付の割賦販売の取引によるのが通例であって、普通の車等と異なり、誰でも自由に買い受けるものではなく、これを入手しようとする者は販売業者、ブローカー、自己使用目的の建設業者、金融業者などが主であり、これらの者は専門業者として、建設機械の売買は所有権留保の割賦販売方式によるものが通例であることを当然了知しているものといえるから、これらの者が製造業者や指定販売会社以外の者から建設機械を買い受けるに当たっては、当該機械の売主がその所有者であるか否かについて慎重に調査確認すべき義務を負うことは当然である等と認定し、Y1がAが建設機械の所有者であると信じたことについては重大な過失があると判断し、Xに建設機械を引き渡すよう命じました。慎重に取引しなければいけないものであることを教えられる事案です。

木祖村コーナー

木祖村だより

事務局だより

事務局だより

 この原稿が掲載されるのは7月号ですが、現在5月25日(火)緊急事態宣言中です。私が感じる限り世の中が凄く閉塞感に覆われている感じと、他人に対して必要以上に警戒感を抱いている感じがします。建設業界はコロナの影響がもう少し先か影響がでないか私には予測出来ませんが、私の友人は飲食関係者もおり、厳しい状況と聞いております。個人に出来ることは限られており、行政の対応に期待するしかないのですが、私の個人的な意見として、知事が休業要請やお願いをするにしてもなにか他人事に感じてしまいます。今までに経験したことのないパンデミックで仕方がないのかもしれませんが、もう少しうまく対応出来ないものかと思ってしまいます。今はまだオリンピックは開催する方向で進んでいますが、この原稿が掲載される頃には、答えは出ているかと思います。(個人的な意見としては)国民一人一人の安全を考えるならば、中止もしくは延期(延期は難しいかもしれないが)が望ましいのではと私は考えています。組合だよりの原稿を書くのは今回で2回目ですが、前回はサッカーワールドカップについてワクワクしながら書いた記憶があります。今は新型コロナについてしか思いつきませんが、早く収束することを祈りつつ、次回書く折は、楽しい話題で書きたいものです。

                                (S.O)